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チャルメラの話

「ドレミ~レド、ドレミレドレ~」

どこかもの悲しく、懐かしいチャルメラの旋律をCMで聞いたことはあっても、実際の音を聞いたことがある方は、少ないのではないでしょうか。チャルメラを吹きながら移動するラーメン屋台は、庶民から愛されるグルメでした。

寒い夜、小腹が空いた夜更けにチャルメラの笛の音が聞こえたら、すぐに家の外に飛び出して屋台を追いかければ、温かいラーメンを食べることができたのです。
屋台のラーメン屋は、江戸時代の移動式の蕎麦屋がルーツといわれています。

当時は道具を担いで売り歩く屋台で、気軽にどこでも食べられる蕎麦は広く庶民に親しまれていました。チャルメラとは2枚リードの木管楽器で、独特の耳に残る音が特徴です。

チャルメラのルーツは、7世紀頃のペルシャの軍楽隊が使用していたダブルリードの木管楽器ソルナ(ズルナ)。後にヨーロッパに伝えられ、管楽器のオーボエの原型となるのです。日本には16世紀の安土桃山時代にポルトガル人から伝えられ、「南蛮笛」と呼ばれていました。

チャルメララーメン屋台の写真 チャルメラの話

日本でチャルメラを客寄せとして吹いたのは明治時代の中国人の飴売りで、中国人が吹いていたことから「唐人笛」と呼ばれていたのです。

ラーメン屋がチャルメラを吹きながら移動するようになったのも、明治30年頃の横浜が最初といわれています。

大正時代には、東京でもリヤカーの後ろに調理器具を積み、チャルメラを吹きながら客引きをする屋台が多くみられるようになるのです。

大正時代の推理作家、江戸川乱歩も作家として売れない時代に屋台を引きながらチャルメラを吹いていたといわれます。

ラーメン屋台が、独特の「ドレミ~レド、ドレミレドレ~」の旋律を吹き始めたのは関東大震災以降といわれています。

コンビニも24時間営業の飲食店もない時代、外で食べられるラーメンは庶民の味で身体を芯から温めてくれるご馳走だったのです。

チャルメラを吹きながら、移動するラーメン屋台は姿を消してしまいました。チャルメラの音色を追いかけてラーメンをすすった記憶がある方には、古き良き時代を思い出させるノスタルジックな忘れられないグルメなのです。

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